2013年7月16日火曜日

北帰行(旅順高等学校寮歌) 小林旭主演映画『渡り鳥シリーズ』 主題歌


北帰行は旅順高等学校寮歌だった!
戦前の大日本帝国の勢力が及んのでいた地域にも、旧制高等学校があったが昭和20年の敗戦で消滅した。その他に外地には満州医大予科、京城帝大予科、旅順工大予科、台北高校、台北帝大予科があった。

旅順高校は官立ではあるが、旧文部省の管轄ではなく、旧拓務省所管の関東州立であったらしい。
もう亡くなられたが大連一中、旅順高校、帝大土木工学科卒の自民党代議士で国土庁長官になった方もいらっしゃった。

小林が主演する映画 『渡り鳥シリーズ』 (日活) の昭和37年 (1962年) 正月封切り版 『北帰行より 渡り鳥北へ帰る』 の主題歌となって大ヒットした。小林旭以外にもたくさんの歌手が歌ったらしいが小林旭の唄以外は知らない。
挿入歌として「ダンチョネ節」も歌われているがこれも書生節である。「沖のかもめと飛行気乗りはどこで散るやらね、はてるやら、ダンチョネ」

いくらこの歌の作者が旅順高校を退学処分になった若者だからといって、ギターと拳銃を持った流れ者とはイメージが違う気がするが小林旭のイメージになってしまった。しかし、小林旭は裕次郎よりハンサムだし、声もいいから許す。裕次郎の歌は低くてバイオリンでの演奏には不向きである。
なお、作者の宇田博はその後、一高から東大を卒業した帝大生でもある。

小林旭は高音を売りにしているのでEbで歌っているが、バイオリン演歌では半音下げてDで歌うのが定番であろう。Dなら開放弦を使えば1と2の指がほとんどで、高いDのみが3の指で演奏できる。
もともと学生の歌う寮歌だとすれば、鼻声でこねて歌わないようすべきだ。

北帰行(旅順高等学校寮歌) 宇田博 作詞作曲

窓は夜露にぬれて 都すでに遠のく  北へ帰る旅人ひとり 涙流れてやまず

夢は空しく消えて 今日も闇をさすろう  遠き想いはかなき望み 恩愛我を去りぬ

建大、一高、旅高 追われ闇をさすらう 汲めども酔わぬ恨みの苦杯 嗟嘆(さたん)ほすに由なし
(建大:新京(長春)にあった建国大学、嗟嘆:なげくこと)


映画の北帰行は中国ではなく北海道、函館へ帰る物語である。
映画の共演者はいつもの浅丘ルリ子、そしてなんと”必殺シリーズ”中村主水の妻、中村りつこと白木マリ(万理)もお色気女優(?)として出演してた。

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