2013年7月15日月曜日

リンゴの唄 映画「そよかぜ」の主題歌 昭和20年


リンゴの唄 昭和20年10月公開松竹映画「そよかぜ」の主題歌 
レコードは昭和21年1月発売 並木路子(松竹歌劇団出身で映画も主演)

終戦直後の歌といえば、この「リンゴの唄」ということになっている。本当にそうかどうかは良く分からないが、今でも施設などで演奏するとみんな知っていて大変人気がある。

でも前奏だけが長調で歌から終わりまですべて短調の曲なのでどうしてこんな曲に作ったのだろうかと不思議である。いわゆる転調でもないし、ゆめじにとっては苦手な曲で前奏を短調伴奏で開始してしまい「なんか違う」と気がついたりしたものだ。  

歌詞の内容はあまりなくてただ明るいだけのような歌だが、戦後の復興を代表するような歌なのであろう。ただし、サトウハチロー作詞のこの歌詞は戦時中に作られたそうだ。おなじ短調のリンゴでも「リンゴのひとりごと」の方が歌詞が物語風になっておりリンゴの気持ちが語られていて優れていると思うのだが-------- 
  
リンゴの値段は闇市ですごく高かった。それゆえ「リンゴ高いや、高いやリンゴ」という替え歌までできたそうである。

実際には、当時の日本人は、食糧難で「かぼちゃ」や「スイトン」ばかりを食べながら飢えをしのいでいた。演歌師の石田一松の「のんき節」に「リンゴの唄」のパロディー「かぼちゃの唄」がある。みんなりんごよりかぼちゃの気持ちやありがたさが分かっていたのだろう。

「のんき節でかぼちゃの唄」
みにくいかぼちゃに 口びるよせて
だまってみている 青い空
かぼちゃはなんにも いわないけれど
かぼちゃの気持は よくわかる
ははのんきだね、ははのんきだね

バイオリン演歌・書生節演奏:昭和ロマンを楽しむ会 

   リンゴの唄
赤いリンゴに 口びるよせて
だまってみている 青い空
リンゴはなんにも いわないけれど
リンゴの気持は よくわかる
リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ

あの娘(こ)よい子だ 気立てのよい娘
リンゴによく似た かわいい娘
どなたが言ったか うれしいうわさ
かるいクシャミも とんで出る
リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ

リンゴの唄:帝大生ゆめじ(with Ukulele)

個人的には、同じ明るい曲でも「リンゴの唄」より昭和21年に岡晴夫が歌った 「東京の花売り娘」の方が好きである。占領下Occupied Japan)にあった当時の状況を「ジャズが流れるホールのほかげ」や「粋なジャンパー、アメリカ兵の」といった歌詞が生き生きと表現している。ブギウギのリズムで米兵も好んだそうだ。

「東京の花売り娘」を歌うと「米兵の乗ったジープが歩道に乗り上げてそのまま走ってきた」と母が当時の銀座の状況を話してくれた占領下の首都のことが思い出される。

昭和ロマンを楽しむ会 書生節 バイオリン演歌 演歌師 昭和歌謡 昭和の演歌師 平成の演歌師 リンゴの唄 林檎の唄 Red apple, 蘋果之歌 紅蘋果

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